先日、会社の近くにあるお店へ、ランチに行きました。
そこはご夫婦で営業されていて、パスタやラザニアなどが食べられるお店なのですが、この間は大音量で音楽をかけておられ、その声におや?と思いました。
マスターに「これ、パヴァロッティですね?」と聞くと、ママに「そうなの、パヴァロッティお好き?」と聞き返されました。
ご記憶にある人もいると思いますが、「3大テノール」として有名な、パヴァロッティ、ドミンゴ、カレーラスのお三方は、クラシックファンを飛び越えて世界中にその歌声と名前を広めた有名人です。
特に、パヴァロッティの声は少し特長があり、明るいのです(私は個人的にオレンジ色をイメージしています)。
ママが「今、パヴァロッティの映画が上映されていて、素晴らしかったのよ!」と教えてくれました。どうやら上映期間が2週間で、今月の27日までしかやらないそうです。
そこで昨夜、観て来ました。
まず、1日1回夜の回だけしか上映していないので、週末を逃すと大変だと思いまして…。
映画は90分間で、ダイアナ妃が存命の頃のコンサートでした。物語ではなくコンサートそのものなのです。
屋外のコンサート(演奏者は屋根付のステージ)ですが、天気は生憎の雨。
オーケストラとテノール歌手のパヴァロッティとフルート奏者が出演していて、あとは全員お客さま1万人強というところでしょうか。
お客さまのほとんどは傘をさしているのですが、アナウンスが流れ「よろしければ、傘をたたんで雨を楽しんでください」と言うと、だんだん傘が閉じられ、皆が演奏に集中します。
オーケストラをバックにパヴァロッティが歌うと、大歓声と拍手と指笛が響き鳴りやみません。日本の音楽フェスのような感じでしょうか。
このコンサートでは、オペラのアリアやカンツォーネなど20曲くらいを熱唱していました。
プログラムの最後の曲は「殿下にお許しを得られるなら、この曲はダイアナ妃に捧げたいと思います」と言って歌った、あの有名なシーンもありました。
本当に素晴らしく、あっという間に90分が経ち、パヴァロッティの超絶的な美声と実力と、そして観客が一体となったこのコンサートに、まるで自分がコンサートに聴きに行ったような感覚になりました。
映画は夜の上映で、しかもこの日は雨が降っていたため、自宅で食事を済ませ、タクシーに乗って映画館に行ったのですけれど、わざわざそうしてでも行ってよかったな~と思いました。
この映画を鑑賞した観客は私を含め6人だけだったのですが(コロナの影響もあるのかも知れませんし、この手の映画にあまり反応がないためかも知れません)、とても寛いで、よい音楽を堪能し、至福の時を過ごさせていただきました。
私は閉所恐怖症で映画館には5年ほど行ってませんでしたが、これを機に克服できたらいいなと、少し明るい気持ちになりました。